結婚資金と働き方 公開: 2026-10-20

行政書士で年収は上がる?合格率14.5%の試験から転職・結婚までの現実

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目次
  1. 行政書士とはどんな資格か:法律で決まっている仕事
  2. 行政書士試験の数字(令和7年度)
  3. 行政書士で年収はどう変わるのか
  4. 年収と結婚はどれくらい関係があるのか
  5. 行政書士→転職・開業→結婚のタイムライン:受験期間を先に決める
  6. 勉強の進め方と、資格学校の使いどころ
  7. 行政書士が向く人・向かない人
  8. よくある質問
  9. まとめ
  10. この記事の出典と確認日

結論から言うと、行政書士は「取れば年収が上がる資格」ではなく、「官公署(国や自治体の役所)に出す書類の作成を仕事にできる資格」で、年収は勤務か開業か、どんな仕事を取れるかで大きく変わります。 行政書士法には、行政書士でない人が報酬を得てこの業務を業として行ってはならないという決まり(例外あり)があるため、登録を受けた行政書士が担う仕事の範囲は法律で決まっています。一方で、行政書士だけを対象にした公的な年収統計は、今回確認した範囲では見当たりません。合格率は令和7年度で14.54%、試験は年1回なので、不合格なら次の機会まで1年空き、受験期間が複数年になることもあります。この記事では、試験の数字、勤務と開業の2つの道、年収と結婚の関係を公的な資料で確認したうえで、受験期間と婚活の時間をどう分けるかを整理します。

行政書士とはどんな資格か:法律で決まっている仕事

行政書士の仕事は行政書士法で決まっています。第1条の3では、行政書士は他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類や、権利義務・事実証明に関する書類(契約や事実関係を書面にしたもの)を作成することを業とする、と定めています。許認可(営業などに必要な役所の許可や認可)の申請書や契約書などがこれに当たります。ただし同条第2項により、他の法律で制限されている書類の作成は行政書士でも行えません。第1条の4では、作成した書類を官公署に提出する手続きの代理や、書類作成の相談に応じることも業務として挙げられています。

大事なのは第19条です。行政書士または行政書士法人でない人は、他人の依頼を受け、どんな名目であっても報酬を得て、第1条の3の業務を業として行うことができません。他の法律に別段の定めがある場合や、総務省令で定める定型的な手続きについて一定の人が電子データを作成する場合は例外ですが、原則として、この書類作成を報酬を得て引き受けられるのは行政書士と行政書士法人です。また、第19条の2により、行政書士でない人が行政書士やそれと紛らわしい名称を使うことも禁じられています。

行政書士になる資格は、試験合格のほかにもあります。第2条では、弁護士・弁理士・公認会計士・税理士となる資格を持つ人や、国や自治体の公務員、または一定の法人の役職員として行政事務(またはそれに相当する事務)を担当した期間が通算20年以上(高卒者などは17年以上)の人も、行政書士となる資格を持つと定めています(第2条の2の欠格事由、つまり法律上資格を得られない事情に当たらないことが前提です)。資格を持つ人が行政書士になるには、日本行政書士会連合会が備える行政書士名簿への登録が必要です(第6条)。この記事では、試験合格の道を扱います。

日本行政書士会連合会の公開情報では、令和8年10月1日現在の個人会員数は55,877人、法人会員数は1,873です。全国に行政書士会は47あります。

行政書士試験の数字(令和7年度)

試験を実施している一般財団法人行政書士試験研究センターの公表資料によると、令和7年度(試験日 2025年11月9日・合格発表 2026年1月28日)の結果は次のとおりです。

項目令和7年度令和6年度
申込者数63,845人59,832人
受験者数50,163人47,785人
合格者数7,292人6,165人
合格率14.54%12.90%
合格者の平均得点197点198点

受験者のおよそ7人に1人が合格する試験です。センターが公表している最近10年間の推移では、合格率は最低が9.95%(平成28年度)、最高が15.72%(平成29年度)でした。

合格基準は「3つの条件を全部満たす」

令和7年度の合否判定基準は、センターの公表資料によると次のとおりです。

試験科目出題形式出題数満点
法令等(憲法・行政法・民法・商法・基礎法学)5肢択一式40問160点
法令等多肢選択式3問24点
法令等記述式3問60点
基礎知識(一般知識・行政書士法等・情報通信・個人情報保護・文章理解)5肢択一式14問56点
合計60問300点

次の3つをすべて満たした人が合格です。

  1. 法令等科目の得点が122点以上
  2. 基礎知識科目の得点が24点以上
  3. 試験全体の得点が180点以上

全体で6割(180点)を取っても、基礎知識が24点に届かないと不合格になります。法令の勉強だけに偏らず、基礎知識で最低限の点を確保する計画が要ります。

受験の条件と令和8年度の日程

センターの案内によると、年齢、学歴、国籍等に関係なく誰でも受験でき、受験手数料は10,400円です。試験は毎年1回、11月の第2日曜日の午後1時から午後4時までです。令和8年度は、試験日が2026年11月8日(日)、インターネット申込みが2026年7月21日から8月24日まで、合格発表が2027年1月27日(水)と公表されています。

年代別の合格率:30代が最も高い

センターが公表している受験者・合格者の属性(令和7年度)から、年代別の受験者数と合格者数を見ると、次のとおりです。合格率はこの記事で割り算したものです。

年代受験者数合格者数合格率(計算値)
20歳代8,294人1,517人18.3%
30歳代9,907人1,923人19.4%
40歳代12,161人1,867人15.4%
50歳代12,330人1,445人11.7%

受験者数が最も多いのは50歳代で、令和7年度は30歳代の合格者数が最も多く、計算上の合格率も最も高くなりました。年代ごとの合格率の差の理由は公表資料からは分かりません。

行政書士で年収はどう変わるのか

行政書士だけの年収統計は確認できなかった

行政書士の年収を集計した公的な統計は、今回確認した範囲では見当たりませんでした。勤務か開業かで収入の形が違うため、この記事ではひとつの平均で語りません。参考として、国税庁の民間給与実態統計調査(令和7年分)で、1年を通じて勤務した給与所得者の業種別平均給与を挙げておきます。

業種平均給与(令和7年分)
全業種の合計486.6万円
金融業,保険業725.6万円
情報通信業681.9万円
建設業590.3万円
不動産業,物品賃貸業512.5万円

この表は、その業種で働く人全体の平均で、行政書士の年収を示すものではありません。依頼元になる業種の給与水準と行政書士の収入は別のものです。転職の判断では、今の給与と具体的な求人の条件を比べてください。

勤務と開業、2つの道

この記事では、行政書士の働き方を分かりやすくするために2つに分けて考えます。

  1. 勤務: 行政書士事務所や行政書士法人に勤める、または企業の法務・総務部門で知識を生かす。給与体系や金額は求人票で確認が必要
  2. 開業: 自分で事務所を開き、依頼を受けて報酬を得る。売上は依頼の件数と報酬額に左右され、手元に残る所得は経費を差し引いた額になる

結婚を見据えた人にとって大事なのは、2つ目の性質です。開業は、依頼の件数や報酬額で売上が増減し、所得はそこから経費を引いた額になる働き方で、依頼が取れなければ十分な収入を得られません。開業直後の収入について公的な統計で確かめられる数字はないため、この記事では断定しません。結婚後の家計を考えるなら、開業を選ぶ前に、何か月分の生活費を貯めてから始めるか、依頼が少ない期間はどう暮らすかを、パートナーと先に話し合っておく必要があります。

企業内で資格を生かす道もある

試験で学んだ法律の知識を、企業に勤めたまま社内で生かす道もあります。ただし、「社内で知識を生かすこと」と「行政書士として他人の依頼を受け報酬を得て業務を行うこと」は別です。後者には、第6条の登録のほか、事務所や業務に関する行政書士法の決まりが関わります。企業に勤めながら登録して業務を行えるかどうかは、勤務先の規定とあわせて、行政書士会に確認してください。

年収と結婚はどれくらい関係があるのか

「年収を上げれば結婚できる」と単純には言えませんが、年収と未婚率に統計上の関連があることは、公的な資料に出ています。

内閣府の令和5年度年次経済財政報告は、総務省の就業構造基本調査をもとに、「30代の男性有業者(仕事を持つ人)では、年収が高いほど未婚率が低い傾向にあり、この傾向は2012年からほとんど変わっていない」と述べています。掲載されている図(第2-2-6図)を読むと、2022年の30代男性有業者の未婚率は、年収100万円台で7割台、300万円台で5割前後、500万円台で3割弱、800万円以上で2割弱と、全体として年収が高い層ほど未婚率が低い傾向です(図からの読み取りのため概数です)。一方で女性では、この関係は男性ほどはっきりしていません。

結婚相手に求める条件の調査もあります。国立社会保障・人口問題研究所の第16回出生動向基本調査(2021年)では、「いずれ結婚するつもり」と答えた18〜34歳の未婚者に、結婚相手を決めるときに何を重視するかを尋ねています。相手の「経済力」を重視または考慮する割合は、女性が男性に対して91.6%(うち重視36.3%)、男性が女性に対して48.2%(うち重視4.7%)でした。男性が相手の経済力を重視または考慮する割合は、1992年の26.7%から2021年の48.2%へ上がっています。

2つの資料から読めるのは、次のことです。

当サイトの見方では、婚活の場では年収の額に加えて、「これからの働き方と収入の見通しを自分の言葉で説明できるか」が安心材料になり得ます。行政書士の場合、開業を考えているなら「いつ開業し、最初の何か月をどう乗り切るか」まで話せるかどうかが、相手にとっての安心材料になります。資格の名前だけでは、相手は収入の見通しを想像できません。

行政書士→転職・開業→結婚のタイムライン:受験期間を先に決める

行政書士試験は年1回、11月です。合格発表は翌年1月下旬で、登録や開業はその後になります。合格率が1割台なので、「合格してから婚活を始める」計画を1回合格の前提で立てると、不合格のときに婚活の開始が1年延びる可能性があります。この記事では、最初に「何回まで受けるか」を決めることをすすめます。

A 受験回数を区切り、合格してから転職・開業、最後に婚活

「2回まで受ける」と決め、合格後に働き方を変えてから婚活を始める型です。話せる材料がそろってから動けるので、自己紹介で今後の計画を話しやすくなります。弱点は時間で、1回目と2回目の試験は約1年の間隔になります。年齢や相手の希望との兼ね合いで、婚活の開始が遅れすぎないかを、受験を始める前に見ておく必要があります。区切った回数で合格しなかった場合に、受験をやめるのか、婚活を先に始めるのかも、最初に決めておいてください。

B 勉強と婚活を並行する

平日の夜と休日の午前を勉強、休日の午後を出会いに使うなど、時間を分けて同時に進める型です。「行政書士の勉強中です」は、将来の働き方を話す材料になります。弱点は、どちらも中途半端になりやすいことです。行政書士は出題範囲が広く、試験は年1回なので、週に何時間を勉強に充てるかを先に決め、守れない週が続いたら片方を一時止める、という線を引いておくと崩れにくくなります。試験直前の2か月だけ婚活を止める、という区切り方もあります。

C 先に法務や許認可に関わる仕事に移り、資格は働きながら取る

行政書士事務所の補助者や、企業の法務・総務の求人に先に応募し、実務に触れながら受験する型です。早く動ける半面、試験合格と登録の前は行政書士として依頼を受けることはできないので、求人票に書かれた仕事の内容と、合格後に待遇がどう変わるかを面接で具体的に聞いてから決めてください。

どの型でも共通するのは、「いつまでに何を決めるか」の期限を自分で決めておくことです。勉強する期間は、出会いの時間が減りやすい期間でもあります。この点は宅建士の記事や期間工で結婚資金を貯める記事で書いた構造と同じです。行政書士は令和7年度の合格率が宅建(18.7%)より低く、必要な受験期間はこの数字だけでは分からないので、期限を先に決めておく意味が増します。

勉強の進め方と、資格学校の使いどころ

行政書士試験は、講座の受講が受験の条件ではないので、独学で受験することもできます。一方で、憲法・行政法・民法・商法・基礎法学と範囲が広く、記述式も3問あるため、仕事をしながら勉強の計画を自分で立てるのが苦手な人には、通信講座や資格学校のカリキュラムに沿って進める選択肢があります。どちらが向くかは人によるので、独学と講座の違いを整理します。

観点独学通信講座・資格学校
費用教材費と受験手数料講座費用がかかる(額は各社の公式サイトで確認)
学習計画自分で立てる講座のカリキュラムに沿う
記述式の対策自分で答案を書き、模範解答と比べる添削の有無は講座ごとに違う
質問基本的に質問先がない質問制度の有無は講座ごとに違う
向く人勉強の習慣がある人、法学部出身など法律の学習経験がある人計画を立てるのが苦手な人、記述式の添削が欲しい人

講座を選ぶときに見るべき点は次の4つです。

  1. 記述式の添削があるか: 配点60点の記述式は、自己採点が難しい。添削の回数と方法を確認する
  2. 教材の形式と質問制度: 動画中心か紙中心か。通勤時間に進めるなら動画やスマホ対応が便利。質問の回数や方法を確認する
  3. 合格時の特典の条件: 返金や祝い金の制度がある場合は、適用の条件を申し込む前に公式サイトで確認する
  4. 費用と期間: 講座の費用、受講できる期間、翌年度への延長の可否。年1回の試験なので、延長条件は特に確認する

講座の費用や条件は変わることがあります。この記事では額を書かず、各社の公式サイトで最新の条件を確認してもらう形にしています。また、どの講座を使っても、合格を保証するものではありません。

下は資格学校の一例で、当サイトの広告です。費用や講座の内容は公式サイトで確認してください。

行政書士が向く人・向かない人

当サイトの見方として、結婚を見据えた資格として行政書士が向くのは次のような人です。

逆に、向きにくいのは次のような人です。

3つ目は、資格より先に、自分が結婚に対してどんな姿勢か(先に土台を整えたいのか、動きながら決めたいのか)を確認したほうがよいケースです。マリッジタイプ診断は、上の3つの型を選ぶときの検討材料のひとつになります。

よくある質問

行政書士を取れば、婚活で有利になりますか?

資格そのものが決め手になることは少ないと考えています。相手の経済力を重視または考慮する人は、「いずれ結婚するつもり」と答えた18〜34歳の未婚者を対象にした調査では、女性で9割、男性でも半数近くいます。求人票や具体的な事業計画を根拠に「勤務か開業か、いつ、どのくらいの収入を見込むか」を説明できることが、話し合いの材料になります。

開業すれば年収は上がりますか?

上がるとも下がるとも、公的な統計からは言えません。開業の所得は、依頼の件数と報酬額から経費を差し引いた額で決まります。結婚後の家計を考えるなら、開業前に生活費の貯えと、依頼が少ない期間の過ごし方をパートナーと話し合っておくことをすすめます。

合格までにどのくらい勉強が必要ですか?

必要な時間は、法律の学習経験、確保できる学習時間、集中できる環境で大きく変わります。資格学校が目安の学習時間を示していることがありますが、公的な数字ではないので、この記事では書きません。確実なのは、令和7年度の合格基準が法令等122点以上・基礎知識24点以上・全体180点以上の3つだったことと、試験が年1回であることです。受験回数の上限を先に決めて、そこから逆算してください。

宅建と行政書士、どちらを先に取るべきですか?

目的で決まります。一般に、不動産取引に関わる仕事を目指すなら宅建(合格率18.7%・令和7年度)、行政手続きに関する書類作成や将来の開業を考えるなら行政書士が候補になります。どちらも法律の知識を問う試験なので、学んだ内容の一部は重なります。順番や組み合わせは、宅建士の記事と合わせて考えてください。

まとめ

行政書士は、試験合格後に登録することで、法令の範囲で行政書士の業務の依頼を受けられる資格ですが、収入の見通しは自分で設計する必要があります。「取ったあとに勤務か開業か」と「受験の期限」を先に決めてから勉強を始めてください。自分の傾向を整理する参考として、マリッジタイプ診断も使ってみてください。

この記事の出典と確認日

確認日は2026年10月20日です。試験の条件や統計の数字は更新されることがあります。

本記事の数字は公開時点の目安であり、年収や合格を保証するものではありません。受験や転職、開業の判断は、最新の公式情報を確認したうえで行ってください。

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